AHC Plaza
AHC Plaza は pahcer と連携して AtCoder Heuristic Contest(AHC)の C++ ソースファイル実行、結果保存、比較・分析をローカルでまとめて扱うためのブラウザで動作するGUIツールです。
詳しい使い方はAHC Plazaの使い方をご参照ください。
主な機能
- 公式ジェネレータを使った入力ケース生成
- AtCoder公式ビジュアライザのローカル表示
- ソースファイル実行とソーススナップショット保存
- C++定数のOptunaチューニング(Python環境を同梱)
- ケースごとのスコア・実行時間・ログの確認
- 実行間の統計比較と入力条件による絞り込み
実行と履歴の確認
ソースファイルと入力セットを選んでテストを実行し、直近のスコア分布や実行状況を一覧で確認できます。

実行結果の比較
2つの実行結果について、平均スコア、差分、信頼区間、スコア分布を並べて比較できます。

対応環境
- Linux(amd64 / arm64)
g++
- Rust / Cargo
- pahcer
Optunaによるチューニング
調整したいグローバル定数にコメントを付けます。
constexpr int BEAM_WIDTH = 50; // @tune 10 200
constexpr double START_TEMP = 100.0; // @tune 1 1000 log
GUIの「チューニング」でソースと入力セットを選び、「パラメータを検出」から探索範囲を確認して開始します。デフォルト値を評価した後、指定した回数だけ追加候補を試します。各候補はソースのコピーの初期値だけを変更して再コンパイルします。元ファイルは変更しません。
Sampler には TPESampler を利用します。
探索用の入力セットは、ahc-plaza/inputs/直下のフォルダーから選択します(例:ahc-plaza/inputs/in/0000.txt)。
- 目的値は固定ケースの生スコア平均です。最大化・最小化はプロジェクト設定に従います。
- WA・TLE・コンパイル失敗・結果の欠落は失敗Trialとし、最良値の計算に含めません。5回連続失敗で探索を停止します。
- 最良候補にはデフォルト値も含みます。「値を入れたC++を保存」で単独のC++を取得できます。
- 「候補の終了後に一時停止」と「今すぐ停止」を選べます。ブラウザを閉じてもサーバーが動いていれば継続します。
- 再開は保存した原本・入力・設定を使います。元ソースを編集しても探索に影響しません。探索範囲やソースを変える場合は新しいStudyを開始してください。
- TrialのRunは通常履歴から除外されます。「チューニング時の実行を含む」で表示できます。通常Runとチューニングの重い評価は同一プロジェクト内で直列に実行します。
- 評価後は再ビルド用の複製を自動削除し、ソース・ログ・ケース入出力・可視化用結果は保持します。完了または一時停止したStudyは、表示された使用容量を確認してGUIから関連Runごと削除できます。
調整対象は、選択したsolverとcompile引数から推定します。複数のC++ソースがあり推定できない場合は、設定に対象のworkspace相対pathを指定してください。
[tuning]
source_target = "solver/main.cpp"
Python環境と容量
Pythonの事前インストール・pip・uvの操作は不要です。 配布バイナリに専用CPython 3.12.14、Optuna 5.0.0と必須依存を同梱しています。初回チューニング時にオフラインで自動展開し、システムPythonやPATHは変更しません。
GUIを終了してから、不要な専用環境を削除できます。旧バージョンの専用環境もまとめて削除します。探索履歴と実行結果は残り、同梱されている版は次の利用時に再展開できます。
ahc-plaza tune clean-runtime
Studyはahc-plaza/tuning/、各評価Runはahc-plaza/runs/へ保存します。実行中のファイルを手動で削除しないでください。同梱環境が更新されると既存Studyの再開を拒否する場合があります。その場合は保存時のPlazaを使用するか、新しいStudyを開始します。ソースの書き出しや保存済み結果の閲覧は引き続き利用できます。
インストール
最新のGitHub Releaseからインストールします。
curl -fsSL https://github.com/taigatappuri/AHC-Plaza/releases/latest/download/install.sh | sh
標準のインストール先は $HOME/.local/bin/ahc-plaza です。変更する場合は AHC_PLAZA_INSTALL_DIR を指定します。
curl -fsSL https://github.com/taigatappuri/AHC-Plaza/releases/latest/download/install.sh \
| AHC_PLAZA_INSTALL_DIR=/path/to/bin sh
インストール完了後、以下のコマンドでバージョンが適切に出力されることをご確認ください。
ahc-plaza --version
更新
現在実行している AHC Plaza を最新の GitHub Release に更新します。
ahc-plaza update
最新バージョンを確認し、更新がある場合だけ現在の実行ファイルと同じ場所へダウンロードします。
アンインストール
標準のインストール先から AHC Plaza をアンインストールします。
ahc-plaza uninstall
インストール先を変更している場合は、--install-dirでそのディレクトリを指定します。
ahc-plaza uninstall --install-dir /path/to/bin
このコマンドで削除されるのは AHC Plaza の実行ファイルだけです。ahc-plaza.toml、ahc-plaza/ディレクトリ、保存済みの実行結果などのプロジェクトデータは削除されません。
クイックスタート
AHC プロジェクトのルートで pahcer と AHC-Plaza を初期化します。
pahcer の初期化
pahcer init --problem <PROBLEM_NAME> --objective <OBJECTIVE> --lang cpp
AHC Plaza の初期化
ahc-plaza init --problem <PROBLEM_NAME> --objective <OBJECTIVE>
ahc-plaza doctor
<OBJECTIVE>には pahcer 同様、目標がスコアの最大化か最小化に合わせて指定してください。
- max: スコアが大きい方が良い
- min: スコアが小さい方が良い
初期化後のディレクトリ構成は次のようになります。
ahc000/
├── tools/ # 公式ローカルテスト環境
├── pahcer/ # pahcer ディレクトリ
├── solver/
│ └── main.cpp
├── pahcer_config.toml # pahcer の設定
├── ahc-plaza.toml # AHC Plaza の設定
└── ahc-plaza/ # AHC Plaza の管理データ
├── inputs/ # AHC Plaza で生成した入力ケース
├── features/ # 派生特徴量の C++ ソース
└── runs/ # 実行結果
ahc-plaza init は solver/、ahc-plaza.toml、ahc-plaza/ 以下の各ディレクトリを作成します。tools/ は、利用する問題のローカルテスト環境に合わせて用意してください。
GUIはローカルホストで起動します。
ahc-plaza gui --port 8080
ブラウザでhttp://127.0.0.1:8080を開いてください。
ライセンス
AHC Plaza はMIT Licenseで公開しています。第三者著作物のライセンスはTHIRD_PARTY_NOTICES.mdを参照してください。
開発・配布ビルド
通常の開発チェックはmake checkです。資材を同梱しないgo build ./cmd/ahc-plazaでも通常機能は動きますが、チューニングは未同梱と表示されます。
make web-install
make check
make build # 現在のCPU向けPython環境を取得・同梱
make release # amd64 / arm64をそれぞれ同梱
同梱ビルドには開発者側でPython 3.12以上とuvが必要です。ビルド時だけ、固定SHA-256のPython配布物と、ハッシュ付きrequirements.lockのwheelを取得します。資材はGit管理外のinternal/tuning/runtime/assets/に保存します。利用者側ではこのビルド操作や環境構築は不要です。
go test -tags tuning_bundle ./internal/tuning/...
python3 scripts/tuning/smoke.py --binary ./ahc-plaza --trials 100
後者にはg++とpahcerが必要です。一時プロジェクトでシステムPythonのないPATH、実Optuna、停止・強制終了・再開、固定条件、書き出しを確認します。amd64/arm64の同梱workerテストはCIにも定義しています。
容量の実測、工程別ベンチマーク、確認した環境と未確認の範囲は実装の検証記録を参照してください。
Pythonと依存の更新時はscripts/tuning/python-lock.json・requirements.lockを更新し、両CPUの同梱テスト、通常機能の回帰テスト、容量とライセンスの確認を行います。版固定はセキュリティ更新を止める方針ではありません。同梱物の一覧と第三者ライセンスについてはTHIRD_PARTY_NOTICES.mdを参照してください。